<p>メッセージ</p>
これ、今年一番かもしれません。
エンディングまでぐいぐいとひきつけられ、先へ先へと読むのがやめられない一方、「読み終わりたくない」と後ろ髪を引かれる。パワフルでありながら、繊細な作品。
中山可穂さんの、重く、美しい、独特の官能的な文章に、「モーツアルト」という天才と音楽という芸術が色を添え深みを与えている。
いつもの、どっぷり恋愛。というのではなくて、ミステリアスな話の展開にぐいぐいと引き込まれる。ちなみに、ケッヘルというのはモーツアルト作品の別の呼称。ケッヘルさんという人が、モーツアルト作品を整理して1作づつにつけた番号だそう。
駆け落ちまでして、貫いた恋が、しだいに狂気へと変わる。
命の危険を感じ、猛然と恋人から逃げるため、旅にでる。終わりのない、戻る場所のない旅。
その旅に終わりを与えてくれたのは、フランスで出会った不思議な男だった。
不思議な出会いの後、主人公の香耶の周りでは次々と殺人事件が起こる。そして、少しづつ解明される真実と、新しい出会い・・・。
伽椰と鍵人。主人公を交互に変え、現在と過去をいったりきたりしながらつづられる物語は
フランス映画のようでもあり、ハリウッドドラマのようでもあり。
ああ、こういう本が読みたかった。と久々の大感動。
中山さんの作品には、一貫して女性同士の恋愛が描かれています。それも、かなり激しく生々しく。
多分、女性は女性同士の恋愛が描かれていても、それほど嫌悪のある人はいないと思うんですが、男性はどうなんだろうなぁ、なんてふと思いました。
中山さんの作品、特にこの物語は、本当にスバラしい。「マラケシュ心中」なんかもほんと身動きできないくらいの作品でしたけど、この作品は今までの恋愛ものを突き抜けた感があって、ぜひぜひみんなに勧めたい。
でも、「女性どうしの恋愛」を避けるがゆえに、男性がこの本を手にとらないとしたら、もったいないなぁ(なんか、男性に受け入れられないような気がして・・・)、なんてなんの根拠もないことを考えていたら、旦那が読んでました。
そして、「中山可穂」っておもしろいね。 だって。余計な心配でした。(というか、私が一番偏見もってたのかな?もしかして。)
確かに、「ちょっと・・・」と思いながらも、セックス&ドラッグ&バイオレンス、な作品も読むもんね。私も。
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