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2008年12月18日

よしもとばなな「イルカ」

<p>メッセージ</p>
よしもとばなな自身が出産したことでこの本が生まれたのかな?
新境地、と帯に書いてあるけれど、いつものよしもとばななの雰囲気。
 
主人公のキミコはひとつの場所や人に執着してしまうのが怖いのか、恋人と初めて一晩を過ごしたあと、彼に2度と会うことなくある寺にまかないの手伝いに行く。
 
その寺は女性の駆け込み寺のようなところで、いろいろな女性に囲まれた単調な生活が心地よく、場所にも人にも生活にも愛着がわいていく。寂しい寂しいと思いながらも、期限がくるとそこを出てゆく。
 
そんなキミコが、思いがけず自分の妊娠していることを知り・・・。
 
子供は欲しくないから、しっかり避妊していた。
それなのに、自分の所に生まれたいと思ってやってきた命。
なんて力強いんだろうかと、自分の中に生まれた新しい命を自然と受け入れるキミコ。
 
妊娠がわかってからのキミコは自分の居る場所に居て逃げることなく、父親である男性も、家族も受け入れていく。
 
うーん、こうして母は自然と自分の中に芽生えた命を愛し、そして自分の周りの人々を愛しながら、時の流れにのって生きていくんだなぁ。
赤ちゃんがもたらした幸福感がぐーっと伝わる感じでした。

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海堂尊「ナイチンゲールの沈黙」

<p>メッセージ</p>
チームバチスタの栄光の白鳥・田口シリーズです。
最近、もうひとつ新しいのが文庫化されたようで、本屋さんに平積みされてました。
 
わーっと読めて、ハラハラドキドキもあり。ちょっとエンタメっぽいのが読みたいなぁ。と思って手に取りました。
 
今回は、歌が持つ不思議な力と、殺人事件と・・・。って感じなんですが、チームバチスタの時のように、事件と病院は直接はリンクしてない感じ。
 
なんか、別々の話が動いているような印象でした。
 
確かに、病院という舞台だからこその謎解きはあるにはあるんだけど・・・。
うーん。なんか微妙。
 
と思っていたら、ちょうど自分が頭に想像したものを映像化できる!といったニュースを見ました。これって、この物語の今回のポイントである、歌の持つ力の部分にちょっと似てるんじゃないかな?
 
この小説の内容について実際の医療や科学からは程遠い、SFっぽいものなんじゃないの?と思っていた私にはちょっとビックリの内容でした。
 
ちょっと生意気な感想文を書いてしまいましたが、実際には楽しいエンタメ小説でした。

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2008年12月10日

桐野夏生「残虐記」

<p>メッセージ</p>
小説家となった少女は、犯人の出所をきっかけに失踪する。
その約1年にもわたる監禁生活の手記を残して。
 
幼女監禁事件の被害者だったという少女が犯人と交わしたものはなんだったのか。
恐怖、友情、愛情・・・。
 
計り知れないですね。現実は常に想像をしのぐものだけれど、そこにある感情もまたしかり。第3者には絶対にわからない本人だけの感情があるのですよね。そんなことを感じたりしました。
この本もまた、その想像のひとつには過ぎないのですが。
 
とはいえ、常人では想像しえないことや、
そんな想像をしちゃいけないだろう。というモラルを踏み越えたように感じられる内容に、思わず、「え、なるほど。そうなのか」と当人に語られたかのように感じてしまう。
 
私たちの想像をはるかに超えたストーリーこそが、事実は小説より奇なり、とはいうけれども、小説を読む面白さなのかなと思う。
 
こういう、フィクションに上乗せしたノンフィクション、というのはなんだか不思議なものですね。
(これは新潟の女児監禁事件がモデルですよね???)

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