新田次郎 「剱岳(点の記)」
メッセージ
新田次郎さんの山岳小説って、けっこう「つらい」「きつい」みたいなイメージが強く、ストイックすぎてたまについて行けなくなりますが、この点の記は構えて読んだ分、ちょっと拍子抜け。(別にがっかりしたわけじゃなく)
日本初の剣岳登頂を三角点測量隊と、山岳会で争う。そんな男くさい物語と思ってました。
それが意外や意外、淡々と語られる。山岳会との勝負、は剣岳登頂へのきっかけでしかなく、勝負そのものは物語の本質ではない。といった感じ。
ホントに淡々、といった感じ。剣岳登頂はもちろんメインなのだけれど、昔の人が日本地図を作成するため、測量を行ってきた。その測量という仕事の苦労がひしひしと伝わってくる。三角点ってなんだっけ、と恥ずかしながら調べたり・・・。
決して登れない、登ってはいけない山の頂に「登った」という事実と、山岳信仰によって守られてきた剣岳そのものの歴史に対して、ずっしりとした重みの伝わる物語でした。
ちなみに、この小説は映画化されましたね。2009年6月公開。
山を文字で読むというのも、なかなか想像力がかきたてられて好きなのですが、
映像になったら、その迫力はいかばかりか、と見に行きたい気持ちでいっぱいです。
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