« 2009年5月 | トップページ | 2009年7月 »

2009年6月26日

山崎豊子「不毛地帯」

そろそろドラマ化みたいですね。
最近は、読書時間が取れるようになってきたので、大作をひとつ。

第二次世界大戦時、陸軍参謀として活躍した軍人、壱岐正。
敗戦後の、シベリア拘留時代から、商社マンとして活躍した、約30年間を描いた物語。

モデルは、丸紅で戦後中途採用から会長までつとめた瀬島さんという方だそうですね。(Wiki調べ)会社を組織として成長させ、丸紅を日本屈指の商社に成長させた立役者。

それにしても、敗戦そして戦後のシベリア時代は、読んでいて苦しくなるばかり。
精神的にも、肉体的にも過酷な日々がなんと11年とは。私には想像すらできません。これってフィクションじゃなくてノンフィクションよね。
戦後生まれの私にはまったく分からない世界だけれど、こういう日々があったとすると、過去の歴史を許しきれない、反日感情というものも少しは理解できるような気がします。

多くの仲間が、防衛庁など、軍関係の仕事につく中で、壱岐は近畿商事に入社し、商社マンとなる。

軍歴を重宝されて、近畿商事が代理店となる、戦闘機の売り込み合戦にかかわるあたりから、商社マンとしての力を発揮し始める。この辺からが物語の後半。
常務、アメリカ支社長、副社長・・・。本人の意思とは関係なく出世してゆく一方、いつまでも消えることのない私生活や自分の気持ちとの葛藤・・・。

山崎豊子らしく、一つ一つの出来事が詳細でリアルで、読み応えのある作品。

高度成長期に、仕事に没頭した男たちの姿もなんだか新鮮。
企業戦士、なんて言葉昔あったなぁ。家庭を顧みず働いて、定年したら濡れ落ち葉。ってのもありましたね・・・。

私にしたら、「そんなに働かなくても・・・。」と思うけど、
親やそれ以上の世代の人にしたら私たちは「いまどきの若もんはヌルい。」ということになるのかな。
そして私も同様に、今の20代前半の若者には、「もっとしっかりせい!」と思ったりするわけなので、なんだかんだとみんな似たようなことを繰り返していくものなのかもね。

こうして、たくさんの時代を知ることができるのも、読書(映画鑑賞なんかも)の楽しみの一つですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2009年5月 | トップページ | 2009年7月 »