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2009年7月17日

田辺聖子「春情蛸の足」

<p>メッセージ</p>
食と恋の短編集。
 
おいしい食事とお酒があればいくらでも恋なんて生まれそうな気がしちゃう私。
気になる相手と食の好みがピッタリ!だったら、そりゃあもうイチコロでしょう?
 
ノスタルジックな雰囲気がいっぱいの食と恋の短編集。
 
ものを食べる姿の描写がほんとに素敵。あーおいしそう!!!って。
 
じっとり汁を含んだおあげ(きつねうどんです)とか、もちもちのフグとか、フワっとあつあつのタコヤキとか!
口にほおばるその文章を読んだだけで、「腹減った!」って感じ(笑)
 
もうたまりませんね。私はこの短編読んで、猛烈にお好み焼きが食べたくなりました。
しんみりしたり、フフっとわらったり、お腹がすいたり。のんびり和やかな物語。

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2009年7月 8日

村上春樹「1Q84」

<p><p>メッセージ</p></p>
ミーハーなので、発売日に買いました。
久々の長編書き下ろし、で話題の作品。現物を手にとるまで「IQ84」だと思ってました。知能指数。
 
「海辺のカフカ」がいまいちだったので、不安と期待と半分づつ。
 
1984年が舞台です。タイトルの通りですね。
私はよく、時代設定のはっきりしている本を読むときに、自分の年齢と比べてみて主人公がどれくらいの年代の人かって考えるんですけど、この作品の主人公、青豆と天吾は1984年時点で30歳くらいなので、ただいま55歳。おお、会社のおじ様たちと同年代です。バブルだ。

青豆と天吾、二人の主人公を交互に変えながら話は進む。

 
天吾は、ある1作の文学賞への応募作品をリライトし、
青豆は、混雑した高速道路を非常階段を利用して途中で降りるところから話は始まる。
 
そこが1Q84年への入り口だった・・・。
1984年ではなく1Q84年。ぱっと見た目は1984年のままなのだけれど、何かが違う。見るもの聞くもの、ちょっとづつなにかがずれている。物語が進むにつれて、二人のつながりや「1984年と1Q84年の間にあるなにか」が分かってくる・・・。

あらすじは、あまり上手にかけそうにないのでこれくらいにしておきます。

 
個人的には、登場人物のキャラクターや、文章の雰囲気が存分に「村上春樹」らしくて満足。1Q84がベストセラーになるとともに、「ノルウェイの森」が売れてるのも分かる気がします。なんかねキャラの雰囲気が似てるっていうかなんていうか。
安心して読めました。ちゃんと村上春樹らしくてでちゃんと面白い。
 
あ、余談ですが、いまさら気付いたんですけど、村上春樹は女の人の耳が好きですよね。きっと。よくそういうシーンがでてくるなーって。

興味がある人は、1ヵ月後くらいに古本屋さんに行ったらいっぱい売ってますよきっと。読んでみる価値はアリ、と思います。

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中山可穂「ケッヘル」

<p><p>メッセージ</p></p>
これ、今年一番かもしれません。
エンディングまでぐいぐいとひきつけられ、先へ先へと読むのがやめられない一方、「読み終わりたくない」と後ろ髪を引かれる。パワフルでありながら、繊細な作品。
 
中山可穂さんの、重く、美しい、独特の官能的な文章に、「モーツアルト」という天才と音楽という芸術が色を添え深みを与えている。
 
いつもの、どっぷり恋愛。というのではなくて、ミステリアスな話の展開にぐいぐいと引き込まれる。ちなみに、ケッヘルというのはモーツアルト作品の別の呼称。ケッヘルさんという人が、モーツアルト作品を整理して1作づつにつけた番号だそう。
 
駆け落ちまでして、貫いた恋が、しだいに狂気へと変わる。
命の危険を感じ、猛然と恋人から逃げるため、旅にでる。終わりのない、戻る場所のない旅。
その旅に終わりを与えてくれたのは、フランスで出会った不思議な男だった。
不思議な出会いの後、主人公の香耶の周りでは次々と殺人事件が起こる。そして、少しづつ解明される真実と、新しい出会い・・・。
 
伽椰と鍵人。主人公を交互に変え、現在と過去をいったりきたりしながらつづられる物語は
フランス映画のようでもあり、ハリウッドドラマのようでもあり。
 
ああ、こういう本が読みたかった。と久々の大感動。
 
中山さんの作品には、一貫して女性同士の恋愛が描かれています。それも、かなり激しく生々しく。

多分、女性は女性同士の恋愛が描かれていても、それほど嫌悪のある人はいないと思うんですが、男性はどうなんだろうなぁ、なんてふと思いました。
中山さんの作品、特にこの物語は、本当にスバラしい。「マラケシュ心中」なんかもほんと身動きできないくらいの作品でしたけど、この作品は今までの恋愛ものを突き抜けた感があって、ぜひぜひみんなに勧めたい。
でも、「女性どうしの恋愛」を避けるがゆえに、男性がこの本を手にとらないとしたら、もったいないなぁ(なんか、男性に受け入れられないような気がして・・・)、なんてなんの根拠もないことを考えていたら、旦那が読んでました。
そして、「中山可穂」っておもしろいね。 だって。余計な心配でした。(というか、私が一番偏見もってたのかな?もしかして。)
確かに、「ちょっと・・・」と思いながらも、セックス&ドラッグ&バイオレンス、な作品も読むもんね。私も。
 
とにかくとにかく。すごく、よかった。

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